3-1 特許出願の経緯
Zagonの最終的な目的は、製品として完成させ、マーケットでのインタラクションを通じて、ブランド・マネジメントを包括したプロダクト・デザインを検証することにある。製品かをするに当たっては、製作を依頼する企業との産学共同開発が必要になる。そのための知的財産戦略として、ゼッタゴンの核である立方体ディスプレーの制御に関する技術を、特許として出願の手続きを行った。(特許出願後の非公開期間のため、技術詳細は不掲載)
まず、慶応義塾大学の技術移転組織である知的資産センターへ、設計図や基本コンセプト発明内容を発明提案書として申請を行なった。同時にこの発明の権利を慶応義塾へ譲渡し、義塾と我々発明者の間で発明の持ち分に関する文書をかわした。
最初の提出資料では、六面構成のディスプレーのアイデアと設計図に、ゼッタゴンのデバイスとしての構成をまとめ、特許提案を行った。知的資産センターのインタビューの結果、以下の様な点を指摘された。
- 形状だけでは特許にならない。(意匠登録する場合にはより具体的な製図が必要になる。)
- 既存の技術の組み合わせでは特許にならない。今までできなかったことを可能にする、技術的な新規性が必要である。
- デバイスとアプリケーションの間で行われるアルゴリズムなどのシステムが必要である。
- 特許の効果として、どういった利便性をもたらす技術であるかを提示する必要がある。
その後システムとして、画面構成とアプリケーションのシステムとして、画面配置のアルゴリズムを考案した。タイミングを同じくして、二画面通信デバイスの(特開平10-341290 通信コミュニケータ)特許が成立しニュースとなった。技術の内容は異なるが、同じくディスプレーによる通信デバイスの特許であり、その特許明細を参考に、指摘されたゼッタゴンの書類に欠けている要件を補正書類として作成し、再度知的資産センターへ申請した。
弁理士を交えてのミーティングの後、ゼッタゴンの特許請求に対し、二つの先行技術があることが分かりこれらの先行技術で解決されていない部分が、ゼッタゴンのクレームとなった。
弁理士による正式な特許申請書類が作成され、「三次元平面ディスプレー」として出願された。出願日から数えて1年6か月の間は、特許の明細は公開されない。(特許法第64条) この技術に対し特許の効力を発生するためには、さらに3年以内に審査請求を行い、特許査定を通過する必要があるが、現在の特許出願中の状態で非公開のまま企業などとゼッタゴンの開発に関する提携をすることができるようになった。なお、企業との共同研究などで、出願の明細書を開示するときは通常秘密保持契約を結ぶことが必要になる。
今後、産学協同のデバイス開発と、マーケット展開のための提携先となる企業等をリサーチし交渉を行なう予定である。
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