5-1 開発とマーケット戦略

 今後、ゼッタゴンは修士の研究として継続して行くことを考えている。修士の研究として、画像処理とネットワーク技術を用い、映像によるコミュニケーションのデバイスとして設計を行なう予定である。産学協同研究として、六面ディスプレーと、ネットワークを持ったゼッタゴンの実機を製作し、それを利用した検証に入りたい。
 来期からより詳細な設計を行い、提携先を探していく予定である。来年末をメドに基本機能をもったプロトタイプを製作し、そのユースの公表して行くことを考えている。

 

 ゼッタゴンは、映像表現によるエモーショナルなアピールからブランドを構築し、ユーザに紹介していくことを考えている。今回、突出した表層機能の背後に、アルゴリズムで画面の配置を制御する本質機能を開発した。今後はネットワーク・デバイスとして、映像による新しいコミュニケーションを設計していく予定である。そのために、ゼッタゴンにおけるネットワークとグラフィック技術の開発が必要となってくる。

 ゼッタゴンの今後のパブリシティ構築として、グラフィック技術の研究などを通して学会やコンペティションへの応募を行い、本質機能の設計の検証と、新規性のアピールを行なっていきたい。また、ユーザへは、芸術祭や都市型イベントなどを通して、表現系のデバイスであることを強調して行きたいと考えている。これは、ゼッタゴンが利便性の高いデバイスとしてコモディティ化することを避け、マーケットにおける共通の嗜好を持った集団(コミュニティ・オブ・インタレスト)のコミュニケーションツールとして自由な利用が可能にするためである。

 また、キャラクターを用いたプロモーションを通して、ゼッタゴンのユースを紹介して行きたいと考えている。キャラクターによって、ゼッタゴンと関連する様々なサービス(商業や、コンテンツ業など)と、ゼッタゴンのキャラクター・ブランドを軸にしたブランド・コラボレーションを行い、デバイスとしての「ゼッタゴン」から、サービスの集合体としての「ゼッタゴン」への分散型のブランドを構築していくことを考えている。
 ゼッタゴンは、マスマーケットではなく、都市に於ける特定のユーザ層をターゲットにプロモーションをかけることを考えている。これは特定のシーンでの定番さをアピールすることと、特定のマーケットとの密なやりとりからから、ゼッタゴンの設計とブランドにフィードバックを行ない、ゼッタゴンのブランドを信頼財へと変換していくための戦略である。


 値段設定としては、中学生高校生なども購入できる価格帯で、5万円前後に押さえたいと考えている。これは、ウォークマンやデジカメなどのデバイスと同水準か若干高い価格帯で、コンピュータやPDAなどの価格帯よりは安い。これまでのポータブル・デバイスを補完するマルチメディアデバイスであることから、これらのデバイスからの乗り換え需要が考えられる。コンテンツ側のカスタムが効くため、ゼッタゴン自身の買い換え需要は低く、若干高めの値段設定でも機能の揃ったものを付加価値として設定することが適当である。六面のディスプレー装置に対しこの値段を実現するために、ゼッタゴンに必要なスペックを検証し、安価なディスプレー技術や、組み立ての簡略化などコストについて考える必要がある。

 また、ユーザへは、生活必需品ではなく、生活を豊かにする商品として提示され、個人単位で所有されるものになるので、コンピュータやテレビなどの家電製品よりは安く設定されるのが適当である。ゼッタゴンの購入後は、ネットワークを通じたコミュニケーション・サービスからインセンティブを得るビジネス・モデルも必要となる。